前立腺がんについて

part26前立腺がんと前立腺肥大症のちがい
前立腺肥大症は、前立腺の病気のなかでもっとも多くみられる病気です。 前立腺がんと前立腺肥大症は症状が似ているため、前立腺肥大症から前立腺がんに進行すると考えている人がいますが、そのようなことはありません。前立腺がんと前立腺肥大症は発症部位もメカニズムも異なります。

前立腺がんは前立腺(尿道をとりまいているクルミ大の器官)の外側に発症しやすく、一方、前立腺肥大症は前立腺の内側に多く発症します。どちらも腫瘍に変わりありませんが、決定的な違いは前立腺肥大症が良性の腫瘍であるのに対し、前立腺がんは悪性の腫瘍である事です。この良性と悪性の違いは、転移するかしないかで判断します。

前立腺肥大症を発症すると、尿がでにくい、トイレの回数が多くなる、尿をしたあとすっきりしない、などの自覚症状があらわれます。排尿に関連する症状があらわれるようになると日常生活に支障をきたすこともあるため、適切な治療が必要になります。生命に危機を及ぼすようなことはありません。 一方、前立腺がんは周囲の骨盤や脊椎、リンパ節に転移するため、放っておくと死に至ります。実際、前立腺がんで死亡する人の3人に2人は骨転移を起こしています。

 前立腺がん前立腺肥大
特 徴高齢男性に多い、男性ホルモン依存性がある
腫瘍の種類悪性腫瘍良性腫瘍
転 移可能性ありなし
症 状排尿障害・血尿・腰痛
※症状がない場合もある
排尿障害・残尿・尿閉