検診を受けて早期発見を

白血病の症状はさまざまで、白血病に特徴的なものは特にありませんが、その症状は急性白血病と慢性白血病で若干異なります。

part34_011)急性白血病の症状
血球のもとになる細胞は、骨の中にある血髄にあります。白血病の場合、骨髄の中で白血病細胞(がん細胞)が異常増殖するため、血液をつくる場所がなくなり、正常な血球(赤血球、白血球、血小板)が減少します。酸素を運ぶ赤血球が減ると貧血になり、顔面蒼白、全身のだるさ(全身倦怠感)、ちょっとした動作での動悸や息切れが認められるようになります。

白血球が少なくなると、感染症を起こしやすくなります。その場合、発熱は感染症を示唆する重要な症状です(なお、発熱は感染症だけでなく、白血病細胞が殖えること自体で起こる場合もあります)。
血小板が減ると、青アザ(紫斑)ができやすくなり、鼻血や歯グキからの出血が認められるようになります。

白血病細胞が骨髄で殖えすぎることによって、骨や関節が痛むことがあります。あるいは白血病細胞が血管外に出て、さまざまな臓器に浸潤し、肝臓や脾臓が大きくなったり(肝脾腫)、リンパ節が腫張したり、歯肉が腫れることがあります。あるいは白血病細胞のかたまり(腫瘤)等をつくることもあります。白血病細胞が脳や脊髄の中に浸潤することもあり、そのときは頭痛、吐き気等がみられることがあります。この状態を“中枢神経白血病”、あるいは“中枢神経浸潤”と呼びます。
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2)慢性白血病
慢性白血病は進行がゆっくりであるため、初期にはほとんど患者さんが無症状で、健康診断の血液検査をきっかけに診断されることがよくあります。このほか、脾臓や肝臓が大きくなったり、リンパ節が腫れたりすることがあります。これに加えて、慢性リンパ性白血病では免疫力が低下し、細菌、カビ、ウイルスによって、溶血性貧血などの自己免疫性疾患を合併したりすることがあります。