皮膚がんの治療
基底細胞がん
手術が基本になります。腫瘍の辺縁から0.5cmくらい範囲を大きくし、皮下脂肪組織も含め十分な深さまで切除します。
顔面の中心部に集中して発生するがんですが、目・鼻・口の変形を避けて切除範囲を小さくすると再発のリスクが高くなります。
有棘細胞がん
外科(手術)療法・凍結療法・放射線療法・化学療法の4つがあります。
外科療法では、腫瘍の周りの正常にみえる部分を含めて幅も深さも十分に切除する必要があります。必要に応じて放射線・化学・凍結(液体窒素を使って、がん細胞を凍結壊死させる方法)も行います。
悪性黒色腫
他のがんと同様に、早期発見・早期治療が重要になりますが、悪性黒色腫は、初めの病巣の周囲に皮膚転移が発生することが多いという特徴をもっているため、病巣の辺縁より数cm大きい範囲で切除手術を行うことが原則になっています。手術後、検査でとらえられないような微小な腫瘍細胞を殺して、再発・転移の予防のために化学療法を行います。
悪性黒色腫に対する放射線療法は、一般に行われる放射線では効果が上がらないことが多く、速中性子線や重粒子線といわれる特別な放射線では効果を示すことがあります。しかし、このような治療はごく限られた施設でしか行うことができません。
また、放射線治療に温熱療法(腫瘍細胞を42℃以上に暖めて殺す治療)を併用すると皮膚転移にかなり効果があります。