≪陰茎がんの病期(ステージ)と治療≫
陰茎がんの病期(ステージ)
Ⅰ期
がんが亀頭部のみ、あるいは陰茎の皮膚のみに限局している。
Ⅱ期
がんが亀頭部を越えて広がっているが、転移がない。
Ⅲ期
鼠径部(そけいぶ)のリンパ節に転移がある。
Ⅳ期
鼠径部を越えて骨盤内のリンパ節に転移がある、あるいは他の臓器に転移がある。
陰茎がんの治療
1.外科療法
Ⅰ.Ⅱ.Ⅲ期は外科療法が適応になります。
手術は全身麻酔をして病変部の切断と鼠径部のリンパ節の摘除を同時に行います。
場合によっては、骨盤部のリンパ節も摘除することがあります。病変部から最低2cmは離して切断するため、当然陰茎は短くなります。陰茎を根元から切断し、尿の出口を会陰部にもってくることもあります。
2.放射線治療
放射線治療の対象になるのは、比較的初期のがんに限られます。
陰茎のかたちをある程度保てることが利点ではありますが、治癒する確率は手術に比べると落ちます。ただし、Ⅰ期では手術と比較し、成績はほとんどかわりません。治療後に陰茎の変形や、尿道の狭窄(きょうさく)をきたすことがあります。転移があると疼痛などの症状があらわれるため、その対策として放射線治療が選択されることがあります。
3.化学療法
転移が認められるような陰茎がんは、抗がん剤治療の対象になります。
シスプラチン、メソトレキセート、ブレオマイシンの併用療法がよく用いられます。また、Ⅱ期、Ⅲ期において、手術の前後に化学療法を併用し、手術成績の向上をはかる試みもされています。