脳腫瘍の症状
脳腫瘍がおこす症状には、腫瘍自体が神経を圧迫したり壊したりする局所症状と限られた頭蓋内スペースの中で腫瘍が大きくなることによりおこる頭蓋内圧亢進症状(ずがいないあつこうしんしょうじょう)があります。
局所症状
左の前頭葉の運動野という手足などを動かす部位に腫瘍ができると、右半身の麻痺がおこります
(右側に腫瘍ができた時は、麻痺は左半身におこります)
脳の前方にある前頭葉の左側に腫瘍ができた右利きの人の場合には、無気力、痴呆様行動などの性格変化や尿失禁、右半身の麻痺、
言語障害などが出現します。
後頭葉に腫瘍ができた時は、視野狭窄(しやきょうさく)、視野欠損などがみられます。
右利きの人の左前頭葉(左利きの多くの人では右前頭葉)に腫瘍ができると言語障害がおこります。
頭蓋内圧亢進症状
限られた頭蓋内で腫瘍が大きくなると、正常な脳を圧迫し頭蓋内圧が上昇します。
これにより持続的な頭痛、吐き気、うっ血乳頭(眼底検査で視神経乳頭がはれていること)などがみられるようになります。
慢性頭痛はその中でも最も注意しなければならないものです。
頭痛は脳腫瘍以外の病気でもおこりますが、脳腫瘍の場合には慢性的に持続し、朝起床時に強く、その後は次第に症状が弱くなっていく傾向があります。
初期の脳腫瘍の約20%にみられますが、進行するにつれ70%以上みられるようになります。
頭痛の増悪とともに吐き気、痙攣、失神などもみられるようになります。
これらの症状がみられた時は、すぐに医師の診察を受ける必要があります。