胸腺腫と胸腺がん

 胸腺腫の腫瘍細胞が増殖するスピードは比較的ゆっくりで、胸腺をおおっている膜の外に広がることはまれです。
 しかし、進行すると周囲の肺、心臓、大血管や胸腔(きょうくう)に広がっていくこともあります。
 胸腺がんは、特に腫瘍細胞の増殖のスピードが速く、別の部位に転移するといった性質をもっています。

 胸腺腫や胸腺がんでは、腫瘍やがんが大きくなると、周囲の臓器を圧迫したり浸潤することによって、胸の痛みや咳・痰が出やすくなったり、呼吸困難、顔面や首のうっ血や浮腫などの症状が出ます。
 初期の段階では無症状が多く、上記の症状はかなり進行してから現れてきます。