胸腺腫と胸腺がんの治療

1.手術
 胸腺腫・胸腺がんの治療法として最も多く行われるのが手術です。
 ステージI期では、腫瘍・がんを含めた胸腺全体を切除します。III期では、腫瘍・がんが浸潤している心膜や肺、血管などの一部も一緒に切除します。
 手術で胸腺のみを摘出した場合はほとんど問題なく日常生活を送れるようになりますが、周囲の別の臓器の一部も切除した場合は、それに伴う症状が出ることがあります。

2.放射線治療
 高エネルギーのX線を病変のある部位にあて、腫瘍・がんを殺して消滅させる治療法です。手術した領域に残っている腫瘍・がん細胞の死滅や再発予防、または、腫瘍・がんによる痛みなどの症状を緩和する目的(緩和ケア)でも行われます。

3.抗がん剤治療(化学療法)
 胸腺腫・胸腺がんでの抗がん剤治療は、胸腺以外の臓器に転移がある場合(Ⅳ期)に行われることが多く、また、手術による切除が難しい場合などに、前もって抗がん剤治療を行い、腫瘍・がんを小さくして手術をすることもあります。

4.ホルモン療法
 ステロイドと呼ばれるホルモン剤によって腫瘍・がんの成長を抑えることができ、抗がん剤治療と併用されることがあります。