動物が激しい怒りを感じる時は〈攻撃する時〉だそうです。この時脳では『ノルアドレナリン』が分泌されます。ノルアドレナリンは神経を興奮させ血圧や心拍数を上げる働きをして、相手を攻撃する準備をします。この「怒りのメカニズム」が人間にも受け継がれているそうです。

もう一方で、相手からリベンジされる可能性を予測し、不安や恐怖を抱き『扁桃体』という部分が反応します。これらが“怒っている”という状態です。

では、【怒りをコントロールできない人】、【キレやすい人】はなぜ生まれるのでしょうか。脳の『前頭前皮質』という部分の働きが不十分だとキレやすい人になることがあるそうです。前頭前皮質は、自分の行動をモニターして実行すべきか判断するところで、働きが悪いと“やってはいけない”という判断ができなくなります。体調不良、寝不足、お酒、薬物によってもブレーキが利かなくなります。

前頭前皮質は人の成長過程で発達しますが、経済的に恵まれていない、親の愛情を満足に受けていない、孤立して育ったなどの場合、未発達になってしまう場合があるそうです。子供時代に特定の養育者と安定的な関係を築くことができた人は、大人になってからも安定的な人間関係を築きやすいと言われています。

子供の頃の「愛着(情緒的な結びつき)」の形成が、大人になってからの性格に大きな影響を与えます。この「愛着」を形成するために重要なのが『オキシトシン』です。オキシトシンは愛情ホルモンや幸せホルモンと呼ばれることもあります。

大人になってからでもオキシトシンを増やす方法があります。

①皮膚への刺激・・人とのふれあいが大切。マッサージを受けるだけでも効果的。

②誰かの目を見たり見つめ合う・・ファーストネームやあだ名で呼び合うことも〇。

③ペットを抱きしめたり、フワフワしたぬいぐるみを触るだけでも〇。

怒りっぽいなと思う方はぜひお試し下さい。