マダニは家の中に居る『ダニ』よりも大きく、クモに近い8本足の虫です。

体長は3~4mmと肉眼でも見えます。

マダニがダニと違うのは、人や外にいる動物などに乗り移り、鋭い歯で噛みつき、1週間にもわたり吸血するという所です。

約1mlほどの血を吸い、体長は1cmまでふくれ上がるそうです。

噛みついた後は、ノコギリのような歯を皮膚の奥に差し込み、セメントのような唾液でガッチリと固めて取れないようにします。

1週間吸い終わると、唾液を溶かし寄生していた宿主から離れて休眠し、再びくっつく相手を探します。

そのマダニが媒体となる【重症熱性血小板減少症候群(SFTS)】という病気により、今年も3人の方が亡くなっています。

このSFTSは、初期は発熱など風邪と似た症状ですが、血液が固まりにくくなったり、意識障害が起こったり、最悪の場合、発症から7~10日で亡くなります。

他にも、ライム病や日本紅斑熱といった病気に感染する恐れもあります。

では、このマダニはどこにいるのでしょうか?

野山や公園、草むらなどの植物の葉っぱに隠れていて、寄生する対象物を狙っています。このとき、ノミのようにジャンプしたりはせず、人や動物が植物に触れたときにうまく乗り移ります。

国立感染症研究所では『マダニ対策、今できること』というパンフレットを作っています。

そこには「野外では腕、足、首など肌の露出を少なくしましょう」や「外出後の上着や作業着は、家の中に持ち込まないようにしましょう」、「シャワーや入浴で、ダニが付いていないかチェックしましょう」など、様々な対策が書かれています。

これからも、お子さんと公園に行ったり、お散歩などで外出したり、登山したり、ハイキングに出かけたり…と外出する機会はたくさんあるかと思います。マダニが嫌がる虫よけなどもあるそうです。マダニ対策をして外出しましょう。

それでも、もし噛まれたら、無理に引き抜いたりつぶしたりすると、マダニの一部が残ったり体液が身体の中に入ったりする心配がありますので、すぐに医療機関を受診しましょう。